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悪魔のささやき
第6章 運命が変わる日
なのに、社長の強引な頼みに断る事が出来ずに、一杯だけと約束して、令嬢と2人で最上階のバーに来てしまった。


すべての始まりはここからだった。

後にどうしてもっと強く断らなかったのか、日々後悔する事になることを、この時は知る由もなかった。


ただこの時の俺は、とにかく早く一杯を飲み切ろうと、会話もせずに急いでいた。


「そんなに早く帰りたいの?」

「ええ、待ってる人がいますので」


ふーんと携帯を触ってる隣の女には目もくれず、半分まで飲んだ時に、携帯が鳴ってるのに気づいた。


━━━木村?


木村から電話なんて珍しいなと思ったが、少しでも令嬢から開放されたい気持ちが強かった俺は、何も考えず席を離れて電話をとった。



これが、罠だとも気付かずに…


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