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猫好き男子と大人な部長
第15章 大人な部長
「いえいえ、気にしないで。もちろん、オルゴールに決めたことには理由があってね。少し話が長くなるかもしれないんだけど……」
こう前置きしてから、高倉は話し始める。
助手席で黙って謹聴する架恋。
車は大通りの交差点で、赤信号のために止まっていた。
駅前まではもうすぐだ。
「幼少の頃、私には苦い失敗談があってね。2歳年下の妹は、昔から音楽が大好きで、よく自分でピアノを弾いたり、歌ったりもしていたんだ。で、あれはたしか、私が10歳の頃のことだ。当時、妹は、誕生日に両親から買ってもらったオルゴールを大切にしていて。まるで宝物のようにね」
ここで信号が青になったため、少し話を切って、車を発進させる高倉。
架恋は、その端正な横顔を見ながら、黙って話の続きを待っていた。
こう前置きしてから、高倉は話し始める。
助手席で黙って謹聴する架恋。
車は大通りの交差点で、赤信号のために止まっていた。
駅前まではもうすぐだ。
「幼少の頃、私には苦い失敗談があってね。2歳年下の妹は、昔から音楽が大好きで、よく自分でピアノを弾いたり、歌ったりもしていたんだ。で、あれはたしか、私が10歳の頃のことだ。当時、妹は、誕生日に両親から買ってもらったオルゴールを大切にしていて。まるで宝物のようにね」
ここで信号が青になったため、少し話を切って、車を発進させる高倉。
架恋は、その端正な横顔を見ながら、黙って話の続きを待っていた。