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猫好き男子と大人な部長
第3章 猫好き男子とお試し期間
「もうこの際だから、はっきりバラしちゃうと……最近しょっちゅう、駐車場にいるポップを長時間撫でてから帰ってたのは、『もしかしたら、石橋さんが通りかかって、寄ってきてくれるかも』っていう淡い期待があったからなんだ。何だかそのためにポップを利用しているみたいで、ポップには申し訳なかったけど……。でも、そうでもしないと、同期の飲み会はそう頻繁には開かれないし、石橋さんとは接点がなさすぎて。そのくせ、石橋さんが本当に近づいてきてくれたあの日は、待ち焦がれていたことが実現した喜びよりも、驚きの方が大きかったけどね。実は、あの日の一ヶ月以上も前から、俺は時折あの駐車場にて、ポップと遊んでたんだ。石橋さんが、いつか気づいて、声をかけてくれるんじゃないかって思って」

「そうだったんだ……」

「で、率直な意見を聞きたいんだ。俺のこと、好きか嫌いかで言えば、どっち?」

「それは……好きだけど……」

 架恋は悩むこともなく答えた。

 実際にその通りだったので。

 もっとも、宮沢が言う意味での「好き」だったかどうかはともかく。




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