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Beautiful Smile~不器用な愛~
第5章 親友
「そっか。私達ってやっぱり、あの頃から似た者同士なのかもね。コレまで同じにはならなくても良かったけど……。実はね、私がまたこっちに戻ってきたのには事情があって。向こうの学校で私、いじめられてたんだ」
「えっ……」
メールや電話では、楽しい話しか聞かなかった。本当はその間にたくさん苦しい想いをしていたのに気づいてあげられなかった。友達なのに、それが悔しくて、頬に冷たい涙が伝う。
「ちょっとお。ミキまで泣かないでよ。それでね、相手が私が心を許した初めて出来た友達かなって思った子だったんだ。なのに、その子は私を裏切った。私の好きな人までも奪っていった……」
「最低……」
その友達が目の前にいるならば、再起不能なくらいに叩き潰してやりたいと本気で思う。女って本当にくだらない。
「違うの。最低なのは私。その後、彼女にありとあらゆる嫌がらせを仕返した。彼女の堕ちていく姿が気持ちいいはずなのに、どこか虚しくて、悲しくて……どんどん空っぽな嫌なやつになっていく自分がいた。ミキが一番嫌いな女に成り下がっていた」
私は美紅を抱きしめて、頭を撫でた。少しでも、美紅の心を軽くしたい。美紅は唯一の私の大切な友達。否、親友だから。