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Beautiful Smile~不器用な愛~
第7章 衝突
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制作展当日。私は、白のカッターシャツに黒のガウチョパンツに紺色のスリッポンという落ち着いた格好をした。花さんは、妊娠中ということもあり、ロングのマキシ丈ワンピースにPコートに私と同じくスリッポンだ。
「妊娠、おめでとうございます」
花さんとは、かれこれ一年ぶりくらいの対面だった。
「ありがとう」
「お久しぶりですね」
他愛もない会話をしながら、会場を回る。花さんは小説のコーナーで学生さんと話をしている。そういえば、花さんも小説学科だったそうだ。その間に、私は女生徒のとある作品を手に取った。
『世界は灰色で、君は虹色で』
短編だったので、私はその小説を読む。セフレだった相手が実は真実の愛だったという内容だった。私にも思い当たる節はあるが、どうなのだろうか。瞬さんのことは、好きだが、それならそれでもうアリかもしれないと今なら思う。