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Beautiful Smile~不器用な愛~
第8章 気吐
「前言撤回なんてさせない。アンタを傷つけてやる」

 透のソレは徐々に高い位置へとのぼっていく。透のモノを咥えながら上目に顔を覗き込むと涙目だった。泣けばいい。そう思うのに、心がこんなにも苦しいのはどうしてだろうか。それでも一度始めたことはとめられない。上下に激しく口を動かす。

「っ……は……はぁ、ミキさん…ごめんなさい」

 透が謝ると共に透の涙が頬に当たる。透の涙は、涙までも温かい。口の中に広がる苦味。私はそのまま喉の奥へと飲み干した。美味しくはない。正直、不味くて吐きそうだ。

「ごめん。好きな人いるって分かってるのに」

「いえ、ミキさんの気がそれで済むなら僕は……。それに僕の方こそ、生理現象といえ、その……すみません。今日は、帰りますね」

 透が帰ると襲うのは後悔。包丁とカッターナイフは危ないからと没収されてしまった。私は、コンビニに走り、菓子パンやお菓子を過食しては、吐いた。人に気持ちをぶつけるのは難しい。口は災いの元だなんて、昔の人はよく考えたなあと思う。

 こんな私に人を好きになる資格はあるのだろうか。それでも瞬さんが好き、ケンジが好き。もう自分が誰のことを想っているのか分からなくなって、また苦しくなった。
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