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Beautiful Smile~不器用な愛~
第10章 粗相

 透はいつの間にこんなに成長していたのだろう。大人っぽくなっていたのだろう。引き寄せる力がもう男の子ではなく、男性だった。こんな不名誉なことで可愛いと言われたのに、ドキッとしてしまった自分がいた。透を離したくない。透に触れられたい。頭を撫でられたい。この人が一番、傍にいたい人だって、やっと気づけた。

 大切な人はすぐ傍にいる。周りを見渡して気づくことが大切だ。花さんの言ってたことは間違いじゃなかったのかもしれない。花さんから、出産したという連絡が数日前に入っていた。返事を出来ずにいたが、キチンとお祝いをして、謝らなければ……。

 お風呂を上がると透がハニーミルクを入れてくれていた。外に干された布団が恥ずかしい。

「ミキさんは、一人じゃないです。“あなたのそばで支えてくれる人がいるだけで幸せ”僕がミキさんのそんな存在になれたらなぁと……思います」

 部屋に差し込む陽射し。微笑む透の手をそっと握った。気づいたこの気持ち。もう誰も失いたくない。だから――。

 
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