この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Beautiful Smile~不器用な愛~
第11章 家族
***
それから瞬さんから、瞬さんの家へのお誘いがあった。どうやら、妻が浮気を疑っているから誤解を解いてほしいとのことだった。私は、はぁ……とため息ひとつ。
「最近のミキさんなら、きっと大丈夫ですよ。頑張って下さい。……あ、お気に入りのブラウス、アイロンかけておきましたから、これ着てって下さい」
「……ありがと」
あの一件以来、透は何も言わずにさらに頻繁に来てくれるようになった。もはや今では通い妻だ。それなのに成績は落ちるどころかトップまで上り詰めたというのだから驚きだ。高校を卒業したら、京都大学に通いで行くらしい。
自分が誰を想っているのか本当の気持ちに気づいて、透が来てくれることで私は、相変わらず心療内科には通っているものの前よりかは心を穏やかに保てている。体を売ることだけは辞めた。