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Beautiful Smile~不器用な愛~
第11章 家族
「こんなアホなおとんとおかんやけどさ、俺は、愛されてるって分かってるし、幸せ。俺も高校受験、失敗したで。公立落ちて、私立。第一志望校じゃないけど、今、それなりに楽しい。ミキちゃんだって、今からでもやり直せる。怒って欲しいなら、怒って言えばいい。俺は……日々、怒られまくりやけどな。あー怖い怖……ってぇ」

 息子さんは必死で話してくれた。分かっている。この亀裂を治すのは難しいけれど、思っていることは私なりにある。隣から息子さんの頭に飛ぶ奥さんの手。私は、またまた自然と笑みが出る。

「ふふっ。ありがとう、瞬さん。私はもう大丈夫です。ちゃんと色んなことに向き合ってみます。だから……、だから、また此処に遊びに来てもいいですか? 瞬さんのこと勝手にもう一人のお父さんみたいに思ってました」

 本当は好きだったなんて、此処では言わない。この家族を守りたいから。

「ああ、もちろん。俺がお父さんなら美羽はお母さんで、コイツは……兄?弟?かな。いつでもおいで」

「ありがとうございました。では、そろそろ私は帰りますね。今日は、日曜日なので家で心配して待ってくれてる人がいて」

「ああ。じゃあ、駅まで送ってくわ」

 私は瞬さんの家を後にする。奥さんは、家族の人と食べてねと私に甘いお菓子を持たせてくれた。心配して待ってくれてる人を家族だと思ったのだろう。私は、この家で理想の家族の姿を見た気がした。




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