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Beautiful Smile~不器用な愛~
第12章 伝想
***
「ありがとう。助かったわ。最近、なんかギスギスしてて」
瞬さんは、また頭を掻く。いつも木内さんと三人だったので、二人っきりになるのは初めてだ。私の中でひとつのケジメをつけようと口を開く。
「私、実は瞬さんのこと好きでした」
「えっ?!」
瞬さんは、裏返ったような声を出して、一歩後ろに下がる。
「……瞬さん、鈍感なんですね。木内さんなんて、カラオケの時に気づいてましたよ。それで、時々、木内さんに時々、相談乗ってもらっていて」
「そうなん? 俺、てっきり木内のことが好きなんやと」
「えっ?!」
今度は、私が驚く番だった。瞬さんも木内さんのあの話は知らないんだなあと知る。