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Beautiful Smile~不器用な愛~
第17章 【短編】涙夜ーナミダヨルー【GL】
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それから半年ほど経った一年生の半ば、転校が決まった。それから半年に一度の転校。父親の会社の事業拡大の影響だった。
うんざりするくらいにどこに行っても人気者だった。父親は大手会社の社長で、色んな財界、政界、教育界にコネがある。それがそんなに凄いことであると、私には一ミリだって分からないまま。
あの後、すぐにミキは学校を辞めたと連絡があった。女子達の群れの馴れ合いとイジメに疲れたそうだ。
私は名ばかりの友達たちに色々な嘘を言った。スクールカーストのトップに常に居たはずだったのに……高校三年生のあの日、全ては狂った。私が虐められる側になるなんて。その高校で金髪の優しい男の子で出逢ったことで、高校一年生のあの頃、ミキに感じていた想いが何だったのかに気づいた。そう、それは――“恋”。