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第17章 【短編】涙夜ーﾅﾐﾀﾞﾖﾙー【GL】

　初めて一緒に行ったバンドは二年間で人気の急成長を遂げていた。そのバンドのライブを母親が運良く……いや、何枚も応募券を出して当ててくれた。

「美紅ちゃん、お母さん、風邪ひいちゃったみたい。ライブ、昔、一緒に行ったお友達……誰だったかしら？　と一緒に行ってらっしゃい」

「ん、分かった」

　母親が風邪など引いていないことはすぐに分かった。けれど、私がミキとずっと会いたがっていたので気を遣ってくれた。その気持ちに私は答える。