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Beautiful Smile~不器用な愛~
第17章 【短編】涙夜ーナミダヨルー【GL】
***
ライブの日からどれくらい経っただろうか。私は、あの頃のようにミキの家にちょくちょく遊びに行くようになっていた。あの頃と違うのは、ミキが一人暮らしをしているということ。
「もう遅いから、今日は泊まっていきなよ」
こういうことも日常茶飯事になっていた。両親はミキの家だと言って、ミキの声を聞かすと安心するようだ。だけど、今日はなんか違う。そんな予感が胸をかすめる。
その夜も一つの布団に二人で寝転ぶ。
「私ね、自分の気持ち、伝えることにしたんだ。瞬さんにも、透にも。瞬さんに過去好きだったことを伝えて、透には今、好きですって伝えるの。透が居たからだいぶ支えられた。恥かしいところも全部、見られて、それでも私と一緒にいてくれる。そんな透だからこそずっと一緒にいたいって思えるの」
私は耐え切れなくなって、ミキに背を向けた。次から次へと涙が出てきて、止まらない。泣いたらいけないのに、私のバカ……。