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口琴
第3章 鬼ヶ島の舘
中條邸。

初老の男が操作するリモコンで、重厚な門がゆっくりと開かれ、黒塗りのセダンは奥へと進む。

手入れの行き届いた美しい見事な日本庭園が、広々と広がっていた。

夜でも、その美しさを愛でる事ができるように、灯籠や外灯が灯されている。

そんな庭を暫く進むと、お城の如く立派な日本家屋の大豪邸が堂々たる姿でその身を据えていた。

蕾が、ここへ来るのは二度目だ。

蕾にとっては、この大豪邸も恐怖の舘にしか見えない。
そう、桃太郎の鬼ヶ島…鬼の巣窟だ。

震えが止まらない…。

助けて…助けて…助けて

「さぁ着いた。つ~ぼみちゃん?」

気色の悪い猫なで声で、制服のスカートから覗くスベスベの膝頭を撫でる中條。

俯いたまま、躰を強張らせ、震えて身動きができなかった。

「チッ!グズグズせずにさっさと降りろ!」

蕾の頑なな態度に痺れを切らし、豹変して声を荒げた。そして、出迎えた使用人の男達に蕾を引きずり降ろさせ豪邸の中へと連れ込んだ。

「嫌ァァ!離して~!助けて~!」

僅か十歳。小さな蕾の抵抗など虚しいものだった。
いくら大声を出しても、このだだっ広い豪邸の中では助けが来ることなど皆無に等しい。

引き摺られて来たのは広いダイニング。ここは初めて入る場所だ。

どこぞの国のお城の晩餐会かのような、ご馳走が並ぶ長いテーブル。
艶やかに飾られた花や、輝く銀の燭台に揺らめく蝋燭の炎。
不気味な動物の剥製。
壁には、ルノワールを思わせるような美少女の絵画。

どれも高価な物ばかりだが、お世辞にも気品と言うものを微塵も感じない悪趣味な空間だ。

幼い蕾さえも、奇妙で下品な場所だと感じていた。

いつの間にか、スーツから麻の丹前に着替えた中條が、テーブルの上座に着いていた。

「さぁ、腹が減っただろう?蕾ちゃんのお口に合えばいいんだが。遠慮せずに沢山食べなさい」

「…要らない…私…帰る…帰りたい!」

「どうした?口に合わないか?お子さまランチでも何でも、好きなものをシェフに作らせよう」

「私…帰る!」

蕾が部屋を出ようとした時、周囲の使用人達に捕まり、ロープで椅子に縛り付けられた。

「ヤァ~!フェェ~ンッ!こんな…ヒック…やめ…てウェ~ン!」

「ごめんね?手荒な事はしたくないんだが…許しておくれ?」

「ヒック…お、お願いです…。帰して下さい…お願いします…」
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