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口琴
第5章 蒼い果実
蕾は、早足で北川を追い、長い渡り廊下から本館へ入った。が…

「あれ?…北川さん…どこに行っちゃったの?…」

北川を見失い、キョロキョロと迷子のように薄暗い廊下をさ迷う。

まるで迷路のような廊下の、扉という扉を開けながら探すが、やはり北川は見つからなかった。

「もう…どこへ行っちゃったんだろう…?どうしよう…」

ふと見ると、他の廊下より少し狭くなった廊下があり、蕾の足は無意識にそちらへ向かった。

するとその突き当たりに、異質な雰囲気を醸し出す、奇妙な扉が一つ。

しかも、少し開いている。

蕾は、北川を探していたにも関わらず、その扉の方へ何かに引き付けられるかのように近づいて行った。

「何かしら…?」

そっと扉を開けてみる。

奥の壁に一つしかない窓の、カーテンの隙間から、僅かな明かりが射し込んではいたが、かなり暗い部屋だった。

鼻をつくような匂いがする。油絵に使用されるテレピン油の独特の匂い。

油絵など描いた事のない蕾に分かる筈もなく、ウッと呻いて鼻を摘まんだ。

部屋の中は、廊下よりひんやりとしている。

温度が管理され、一定に保たれているのだ。

少しずつ暗さに目が慣れると、部屋の様子が段々と見えてきた。

そこには、沢山の油絵のキャンバスが所狭しと置かれ、数点の絵は立派な額縁に入れられていた。

部屋の中央には、イーゼルに置かれたままで、まだ描きかけの絵も…。

どの絵も、美しくて幼い少女が描かれている。

あの下品な食堂に飾られていた、ルノワールの絵に似た美少女達は、ここで描かれたものだと分かった。

しかし、食堂の絵と明らかに異なるのは、どの絵の少女も全裸や服がはだけた状態で、あられもないポーズをとり、幼い乳房や、恥ずかしい秘芯までも繊細に描写されている。

そして、その秘芯からは処女を散らされた証であろう初血を流しているのだ。

少女達は皆、苦悶とも悦楽とも取れる悩ましげな表情で、今にも喘ぎ鳴きが聞こえてきそうでもあった。

その中で、蕾はある一枚の絵に惹き付けられて目が離せなくなってしまう。

それは巨体なキャンバスに描かれた、泣き黒子の魅力的な美少女…。
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