この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
欲情三分間〜ヨクジョウサンプンマ〜
第2章 ☆☆☆☆☆☆☆☆
ブルトップをカシャッと開ける。
非常勤講師といっても、
美咲はF大学では客寄せパンダなのだ。
〔ノンフィクションライターの講座〕以外は今日のように流体物理学科にて実験の後片付けを手伝ったり__だから白衣なのだ___
、
別の日は農業学部にて重機やらトラックの運搬をしたりヘルプ要員である。
黒い缶コーヒーラベルを眺める。
学生にノンフィクションの書き方を教えるのは楽しい。
非常勤講師になったのは娘が生まれた後だ。
夫は一般企業のサラリーマン。25歳の時に友人を介して知り合った。
とんとん拍子に交際は進み、
結婚して直ぐに希を授かった。
マンションをローンで購入して5年。
真面目で勤勉な3歳上の夫は〔善き夫〕だ。
希には甘過ぎる。
小さな頃から物を与え、
叱る時もあるけれどどこか甘い。
1人娘だし、
美咲だって娘は可愛い。
が、
小学生でブランド物をねだるようになるとは。
通わせているのだって公立の小学校である。
美咲も身なりは清潔感に気をつけて年相応の服装を心がけている。
しかし昔からブランド物には関心がなく、
メーカー品で機能を重視し選び、細く長く大切に使う。
『誰に似たのかしらねぇ…………』
つい独り愚痴を溢した。
「誰がですかー?」
急に声がした。
『ひあっ!』
美咲はビックリして顔を上げる。
『何だ、田中くんか………』
〔ノンフィクション講座〕も受けている学生だ。
「何だって田中ですよ~」
田中春【たなかはる】はニコニコ笑いながら言う。
非常勤講師といっても、
美咲はF大学では客寄せパンダなのだ。
〔ノンフィクションライターの講座〕以外は今日のように流体物理学科にて実験の後片付けを手伝ったり__だから白衣なのだ___
、
別の日は農業学部にて重機やらトラックの運搬をしたりヘルプ要員である。
黒い缶コーヒーラベルを眺める。
学生にノンフィクションの書き方を教えるのは楽しい。
非常勤講師になったのは娘が生まれた後だ。
夫は一般企業のサラリーマン。25歳の時に友人を介して知り合った。
とんとん拍子に交際は進み、
結婚して直ぐに希を授かった。
マンションをローンで購入して5年。
真面目で勤勉な3歳上の夫は〔善き夫〕だ。
希には甘過ぎる。
小さな頃から物を与え、
叱る時もあるけれどどこか甘い。
1人娘だし、
美咲だって娘は可愛い。
が、
小学生でブランド物をねだるようになるとは。
通わせているのだって公立の小学校である。
美咲も身なりは清潔感に気をつけて年相応の服装を心がけている。
しかし昔からブランド物には関心がなく、
メーカー品で機能を重視し選び、細く長く大切に使う。
『誰に似たのかしらねぇ…………』
つい独り愚痴を溢した。
「誰がですかー?」
急に声がした。
『ひあっ!』
美咲はビックリして顔を上げる。
『何だ、田中くんか………』
〔ノンフィクション講座〕も受けている学生だ。
「何だって田中ですよ~」
田中春【たなかはる】はニコニコ笑いながら言う。