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欲情三分間〜ヨクジョウサンプンマ〜
第2章 ☆☆☆☆☆☆☆☆
(止めなくちゃ!)
缶コーヒーを床に置き、
一歩踏み出す。


すると羽交い締めにされた。
(何をだよ!
違うって、多分………)



田中の力は強い。

ジタバタしたけれど動けない。



(違うって何がよ?
あんな大きな音………怪我してたらどうするのよ)

美咲は首だけ捻り、
息で怒鳴る。


田中は何故か眉を下げた。
(だからさ、そっちじゃなくて)


怪訝に思い田中の白くつるつるした頬を眺めていると、


「……………………っあっ……………はあっ………」

泣き声を押し殺したような声が聞こえた。



美咲は(やっぱり!泣いてるわ、あの生徒)と前に出る。

田中がはーっと溜息を吐いた。
(違うってば。
耳澄ましてよ先生…………)



は?と思い、
耳を澄ました。



「ん、はぁん…………せん…………、
っとしてぇ…………………」
カタンコトンと低い物音がして、
女子生徒の声が混ざる。




(………………………………うそ…………)

(だから言ったじゃん)


研究室から聞こえてくるのは、
美咲にも覚えがあるアノ声。



………………いくら教授だからって、
こんな場所で…………………………

しかも相手は生徒。流体物理学の教授は既婚者である。





美咲はカーッと頭に血が昇る。

心臓がバクバク跳ねた。




他人の喘ぎ声というのは、
こんな妖しげなの?





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