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欲情三分間〜ヨクジョウサンプンマ〜
第3章 ××××××××
「饅頭がないよっ!!
饅頭がないっ!!」
突然、年寄りの一人が騒ぎ始めた。
____またか。
『ヤマカワさん、饅頭用意しておきますから』
ヤマカワさんは夜になると饅頭を探し始める。
78歳の女性だ。
「ないんだよ、饅頭が!
饅頭がないっ」
薬を載せたステンのカートを掴む。
『ヤマカワさん、
あるから大丈夫』
俺はヤマカワさんの腕を抑える。
呆けた年寄りというのは、
異様にチカラが強い。
痩せこけて骨と皮だけなのに、
皮膚は美しい。
男性看護師というだけで殆ど夜勤だ。
もう一人、先輩看護師が別室にて眠剤を飲ませている。
慣れたけど、
たまに虚しい。
言葉が通じない相手に言うことを聞かせることほど難しいことはない。
ガシャーン!
『あっ!こら!ヤマカワさん!』
ヤマカワさんがステンのカートを倒した。
音が響き、
先輩看護師のハタケさんが駆けつけてきた。
『ヤマカワさん、
夜だし寝よう?
お饅頭は明日必ず持ってくるからね』
ハタケさんは猫撫で声でヤマカワさんを諭す。
ヤマカワさんは枝のような指を開いてハタケさんを押していたが、
ふっと手を降ろした。
『龍【りゅう】、お前んとこ嫁さん年上だよな?』
深夜、
詰め所にてハタケさんが問いかけた。
俺はスマホを弄りながら『そうですよ、
3つ上』と答える。
夜勤の利点は、
患者が寝てしまえばたまにこうやって自由時間があるところだ。
『は~……………良いなぁ~。
俺彼女いない歴3年更新しちゃったよ』
饅頭がないっ!!」
突然、年寄りの一人が騒ぎ始めた。
____またか。
『ヤマカワさん、饅頭用意しておきますから』
ヤマカワさんは夜になると饅頭を探し始める。
78歳の女性だ。
「ないんだよ、饅頭が!
饅頭がないっ」
薬を載せたステンのカートを掴む。
『ヤマカワさん、
あるから大丈夫』
俺はヤマカワさんの腕を抑える。
呆けた年寄りというのは、
異様にチカラが強い。
痩せこけて骨と皮だけなのに、
皮膚は美しい。
男性看護師というだけで殆ど夜勤だ。
もう一人、先輩看護師が別室にて眠剤を飲ませている。
慣れたけど、
たまに虚しい。
言葉が通じない相手に言うことを聞かせることほど難しいことはない。
ガシャーン!
『あっ!こら!ヤマカワさん!』
ヤマカワさんがステンのカートを倒した。
音が響き、
先輩看護師のハタケさんが駆けつけてきた。
『ヤマカワさん、
夜だし寝よう?
お饅頭は明日必ず持ってくるからね』
ハタケさんは猫撫で声でヤマカワさんを諭す。
ヤマカワさんは枝のような指を開いてハタケさんを押していたが、
ふっと手を降ろした。
『龍【りゅう】、お前んとこ嫁さん年上だよな?』
深夜、
詰め所にてハタケさんが問いかけた。
俺はスマホを弄りながら『そうですよ、
3つ上』と答える。
夜勤の利点は、
患者が寝てしまえばたまにこうやって自由時間があるところだ。
『は~……………良いなぁ~。
俺彼女いない歴3年更新しちゃったよ』