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欲情三分間〜ヨクジョウサンプンマ〜
第3章 ××××××××
サキちゃんめちゃめちゃ可愛い……………


さりげな~く顔を見る。


二重の瞳にグリーンのアイシャドウをのせている。
明るい雰囲気によく似合う。


サキちゃんは独身だ。
彼氏の有無は知らないが、
いない訳がないだろう。

意味ありげに手を握られたり、
肩をつつかれたりする。




据え膳は食うべきだ。


_____そう思っても、
同じ院内・同業者だとリスクが高い。


左手薬指の指輪は、
怨めしい。
だけど、同じくらい俺への歯止めになっている。




サキちゃんが机の下で俺の脇腹をつねった。



ドキッとする気持ちを(シッ、婦長に怒られるよ)
と小声で場のせいにし隠す。









______へたれなんだよな、結局。


嫁との関係を壊したくない。

遊びたいけど、ややこしそうなことはしたくない。




サキちゃんがジトーッと醒めた眼差しを送ってきた。

気づかないフリをする。


















『はーい、眠剤の時間ですよ~~~』
今週3度目の夜勤。



年寄りに眠剤を飲ませる。

『イノウエさん、そこ入っちゃダメ!』
惚けたイノウエさんが、
詰め所横のリネン庫を開く。


俺は諭すように柔らかく言い聞かせる。


『あの~~~…………看護師さん…………』
イノウエさんを連れて病室に戻っていると、
サノさんが暗い顔で話掛けてきた。


サノさんは心神喪失というか…………
45歳の女性で、数カ月前から入院している。


暗いだけで害はない。

が、白い服は前後ろ逆だ。
生気もない。
虚ろだ。



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