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第3章 そのさん

―――夜日付が変わるころ、
翔汰は事務所にいた。



百合絵社長が満面の笑みで『ほーほほほ、
来月号のニャンニャンを席巻するわよ〜♪♪』
と出来上がった最新号〔ニャンニャンNo.6〕をテーブルに広げた。



『……おお！
キレイっすね、やっぱり加工修正施すと』
翔汰は感嘆した。


見開きページをゲットしたようで、
特集は全部で3ページある。


翔汰と拓矢が向かい合い、間に薔薇を挟み視聴者側に顔を向けたアップの写真。


タキシードが光沢を纏い、美しい。


『……結局タキシードあんま使わなかったけどね』
隣に立つ拓矢が呟く。



翔汰は元気にウィンクし、拓矢は口を開いたセクシー表情。


『まっ、
消耗品だもの〜。そんなもんよぉ。
ニャンニャンで特集3ページ取れたのは凄いことだわ。sex特集じゃない号を選んだからね』



（なるほど。
敢えて特集外にアプローチするのか………）


違和感が印象に残るかもしれない。


他にも男性俳優のインタビューや、
ファッションページもあるのだから奇抜なやり方じゃないと読者が覚えない。



『ま、これは予告編よ。
来々月号ではsex特集があるから、
10ページは取るわよ〜』


『え、
じゃまたゲイ撮影あり？』翔汰は気が重くなった。


『俺はいつでも構わない』しれっと答える拓矢。

『………売れるといいなー…………』と呟く。