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イカせ屋稼業
第3章 そのさん
翔汰は画面をスクロールし、
拓矢に〔妹と勝手に連絡とるんじゃない!
絶対手ぇ出すなよ〕とメッセージを送っておいた。

(未成年にセクシー俳優がlineすんじゃねーよ!)


自分がセクシー俳優をしているぶんには構わないが、素人のおぼこい妹と絡まれるのは困る。



直ぐ返事が来た。


〔手ぇ出せるはずないじゃん(笑)
安心して、俺は成人してない女に欲情しないから〕



〔何かあったら殴るぞ〕



〔どうぞー。
その時はころしてもいいよ〕【笑顔スタンプ】





『はぁ……………』

翔汰は後部座席の背もたれに肩を預けた。

『何だか大変みたいだな(笑)』甲斐が笑う。


『……甲斐さん、
拓矢って何考えてんのか分からないっすよね…』


『ん?
ああ、何拓矢絡み?
………そーだなぁ、
あいつ無表情だしな』


『あ、分かります?
そうなんすよ、感情的にもなんないし』


『それはあいつの家庭事情じゃね?』


『………え?
ああ、
両親が経営者だっけ………?』

『うん、まぁそれもあるけど。
あいつ家族と血ぃ繋がってないだろ』


『………え??』


『あれ、聞いてないか?
仲良いからてっきり知ってるものだと…。まぁ自分から言うことでもないか。
俺がぶっちゃけたの内緒な』


元孤児なんだよ。
両親が裕福だから男の子を引き取ったんだわ〜と事も無げに言う甲斐のセリフを、
翔汰はボンヤリ聞いた…………………

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