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イカせ屋稼業
第5章 そのご
ネット情報が氾濫する時代、

2人のプロフィールもウケる要因となったようだ。


翔汰は『大学(院)中退』、
拓矢は『良家出身』……………とギャップがいいらしい。



もっとも、
子供がいる親たちからは〔教育に悪影響だ〕とクレームが入るけれど。。


そこは事務所スタッフが上手くかわしてくれる。


Yoo!ちゃんデザインのチョーカーは、
メンズ雑誌に掲載されて注文が増えた。



――――2人は駅前広場にて足を止める。


『は〜〜〜。
びっくりした……』


『あんな群にならなくてもいいのにね』
拓矢が金髪の前髪をかきあげて額を拭った。


翔汰は腕時計を見て、
『あーあ。
あと30分か…スタバで珈琲飲みたかったな〜』

『翔汰………
お前って庶民的だな……』
うるさいよ、
と言いながら2人はベンチに座る。

立てっていると(容姿が良いため)目立ち過ぎるのだ。


翔汰はスマホを取り出し、すずにメッセージを入れた。

1ヶ月前からほぼ毎日やり取りをし、
たまに食事(専ら【ちんどん】だ)をする。
甘い雰囲気になり、イチャイチャしたりもする。


(不思議だな、
sexはしたのにキスのが嬉しかった…)

彼氏彼女のようになってきたこの頃である。


〔ショウタん
これから拓矢と撮影&雑誌のインタビュー。
がんばってきまっしゅ☆〕


文字を打ち込んでいると、拓矢がスマホ画面を覗いて『うわ。キモい。そして表現が古い』
と吐くジェスチャーで舌を出した。

『良いじゃん別に』

『俺には彩夏ちゃんのことで嫌味メッセばっかのクセに…』

『すずと妹は別だろー。
あ。
そうだ、拓矢に言ったっけ?ミサコが帰って来たって』

『………誰?それ…』

『あ、言ってなかったか。男作って出てった母親。
俺が雑誌に出てるの見て、「私のせいだわ〜」って帰ってきた。
彩夏が笑って「どーせ暫くしたら帰ってくると思ってたよ(笑)」
つってた』




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