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第5章 そのご

『お、
拓矢もやるようになったな〜』


『甲斐さん注意してくださいよ………
成海あや【ナルミアヤ】さんと撮影した時、歯形消えてなくて急遽設定変えて、
女優さんに噛みついてもらうシーン撮りましたもん』


『痕を残すくらいじゃないとね…』
拓矢は前を向いたまま、
事も無げに言う。


『まぁな。
リアリティーも大事だしなぁ……
そうだ。2人とも明日は1日オフにするから』


『え？
俺撮影1本入ってましたよ？』翔汰が言うと、
拓矢も『俺も。
ノーマル撮影が2本』と言う。



『社長からの1日オフプレゼント！
最近睡眠時間もなく多忙だったろ？
明日予定の撮影は、既に後日組み直すことになったんだ。
伝えるのが遅れて済まない』甲斐も2人のマネージャーを担い、多忙なのだ。


『オフかぁ………
休める〜〜〜！！』
翔汰は伸びをした。


『ゆっくり休んどけよ。
その前に今からのハメ撮りは頑張れ』


『「はーい」』


ホテルの一室で〔カップルらしく〕イチャイチャ愛情あるハメ撮りの予定。


ホテルに向かってバンワゴンは走る。
白い高層ビルのようなホテルが見えた。
バンはアプローチに進入し、
2人を下ろして立体駐車場に駐車した。