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イカせ屋稼業
第5章 そのご
布団を叩き、
室内に戻った翔汰。

『………拓矢、お前なぁ……』


雑巾掛けをしているのはいいが、
フローリングの木目通りに真っ直ぐ進んで折り返せばいいものを点々と色んな箇所を飛んで拭いていた。


『真っ直ぐ進んで折り返したらいいんだよ。
小学校のときにしなかった?』


『………?
小学校で掃除なんかしないと思うけど……』


(あ。
忘れてた……
こいつイイトコのボンなんだった。
私立だろーな。
なら清掃なんて子供にさせないかぁ)


翔汰は地方の公立である。

さらには、
両親が離婚したのが小学校低学年の時だったから、
悲しみに沈む母さんを助けようと家じゅう掃除をしたり、
片付けをしたり簡単な料理もしたので家事全般身に付いたのだ。





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