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イカせ屋稼業
第5章 そのご
『……怖くなんか…………………』
そう言うと、
すずの左目からポロリと涙が落ちた。


『怖くなんか、ないっ…………』
言いながら涙がボロボロ流れていく。

肩も震え、
すずは拳を握り嗚咽した。


翔汰は、
必死に恐怖を否定するすずが痛々しくなった。
同時に愛しさがこみ上げてくる。


白い頬を伝う涙を、
ペロリと舐め取った。

すずは驚いて目を瞬かせる。


翔汰は慈愛を込めて、
ペロリと涙を掬い続けた。

すずは震えながら、
肩で息をしていたが。


翔汰にしがみついて声をあげて泣き出した。



翔汰はひたすらすずの背中を撫でた。
言葉が思い付かない。
男で、
しかもsexを売り物にしている自分が「辛かったね」なんて分かった風に言うのは憚られた。。





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