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第6章 そのろく

――――――――――
『おいコラ！
拓矢起きろ！』


『……………くー（寝息）……』


翔汰はベッドですやすやと眠っている金髪男の横腹を蹴った。


『痛っ』


『痛っ、じゃねぇ！
朝だ、起きろ！
ご飯食えよ』


『………優しく起こして……………』


『春休みの小学生かお前は！
早く起きてご飯食べて顔を洗え。
そして仕事に行くぞ』



――――サタデースキャンダルから１週間。


あの日、
あの後直ぐ拓矢の荷物が翔汰のマンションに運ばれた。

（すずとはメッセージしか取れないし……
自業自得とはいえ、
何か腹立つ…………）


すずは１週間の謹慎なのだという。

メッセージで〔しばらく会わないようにしよ？
私も、
撮影無いと困るの…〕
とあった。



百合絵社長からは『倍額売れたら交際してよし』
と謎のノルマも課せられた。



狭いワンルームに、
ゲイカップルで売り出したaijiの片割れが居る。


翔汰はイライラをぶつけた。

『片付かねぇだろ！
起きろー』


………拓矢の荷物はリュック一つだった。
プラス、キングサイズのベッド…………