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イカせ屋稼業
第6章 そのろく
……拓矢は金髪をゴムで結び、
私服を着ると『……まだ時間あるじゃん。15分もある』
と文句を言う。



『物事は先回りして準備しておくの!早め早めに越したことないの!
特に仕事は遅刻出来ないだろ。
甲斐さんだって俺らが遅れたら叱られるんだよ。
………お前今までそれでよく遅刻しなかったね』


呆れて顔を見る。
(遅刻やサボりには厳しい男なのになぁ。これで間に合う辺り不思議だ……)


拓矢は切れ長の目を更に細め、
じーっと見てから翔汰に手を伸ばした。


『?
何だよ』



『………パンの食べカスが付いてる』
と翔汰の頬を指で撫で掬い、
その指をペロリと舐めた。

『………恥ずかしいんですけど……』

『急いでパンカス付けてるのも恥ずかしいんじゃないかな』
しれ〜〜〜っと涼しい顔で言う。。



哀しきかな、
座っていても身長差から翔汰が拓矢を見上げるようになる。


『…あのさぁ拓矢。
何で同居なんてしようと思ったわけ?』


翔汰はこの1週間、
バタバタしていて訊いてなかった質問をした。
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