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イカせ屋稼業
第6章 そのろく
雑誌社の玄関フロアをくぐる。


受付に挨拶をし、
『本日インタビューをお願いしたaijiですが…』
甲斐が話す。



雑誌社の5階部分が仕切りフロアになっているらしい。

案内を受けてエレベーターで向かう。




普段からマスク・帽子をしているが、
翔汰は笑顔を心掛けていた。

印象ひとつで悪い噂も広まりかねない。


拓矢は欠伸をして、
ポケットを探り眼鏡を取り出してかけた。

(おい。
………お前それ誤魔化しだろ)
翔汰は小突いて囁いた。


拓矢は(いいじゃん。
眠い時はこれ便利だよ)
と黒ぶちフレームの眼鏡を触る。



(こういうとこ!
拓矢のこーゆーとこなんだよなぁ)

翔汰は自分が『如何様にすれば売れるか・
印象が良いか』
と考えているだけに、


拓矢の飄々とした振舞いにはたまに苛つく。



――エレベーターが5階に到着し、
白いテーブル席に案内を受けた。

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