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イカせ屋稼業
第6章 そのろく
椅子を引き、
並んで座る。


甲斐はインタビューに関しても立ち入らず、
失言があれば後々記者との話し合いで間に合わせる。


そのほうが実力がつくし、リアリティーがあるかららしい。。




2人は記者を待つ。

5分程して、
スーツ姿の熟女が現れた。

『失礼致します…
本日インタビュアーを務めさせて頂く高市【タカイチ】です』

40代だろうか。


高市という記者は、
覗き込むように顔を出す。カールした黒髪が肩で揺れる。


2人は立ち上がって挨拶をし、
頭を下げた。



『どうぞ、
着席くださいね。
あまり堅苦しくならずにお話しましょ(笑)』

高市は向かい側に座る。



翔汰は、親しみ易い雰囲気を見て少し安堵した。


『はは、そうですね。
エロアイテムですし、フランクに(笑)』
拓矢は如才なく話し始める。


『ですわね。

―――お2人は、
現在同棲してるんですって?』


高市はニッコリ笑いながらそう言う。


翔汰は膝に置いていた手のひらがガクッと滑った。
『あ、あれー?
もう知られちゃってました?』


『ええ、
昨日そちらの社長さんから連絡があってね?
〔同棲してラブラブだから、たくさん質問しちゃってください〕って。

あら?もしや聞いてなかった?』



翔汰は(社長〜〜〜、
言っといてくれ……)
と思いつつ『いいえ。
同棲だから何だか気恥ずかしくてですねー』
と取り直した。


『〔plus・i〕も使用してます?
お2人のイチャイチャ時に♪』
高市は興味津々といった表情だ。


(…どうにでもなれ…)

翔汰は半ば開き直り、

『よく使いますよ〜。
特に僕がよく動くんで、
ちょくちょくプッシュしますね』
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