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イカせ屋稼業
第8章 そのはち
12階に着くと、
受付嬢は『私はここで失礼致します』と優雅に一礼してエレベーターで再び降りていく。


受付嬢というより、
観光名所の案内係のようだ。

『ええと…』
甲斐が12階でキョロキョロしていると、

『お待たせ致しました!
〔C-Girls〕編集部、岩瀬【イワセ】と申します』
背の高い、
スレンダー美人が名刺を提示した。


『よろしくお願いします。〔ミントリア〕の甲斐そしてaijiです。
わたくしは待機しますので、本日は宜しくお願いしますね』
甲斐は名刺を交換して喫茶室へ向かう。



『はい、
ご足労ありがとうございます。
aijiさんどうぞこちらへ…』
岩瀬は窓側のテーブル席へと案内した。。
そしてチラリと拓矢を見た。




対面して座る。


岩瀬は『どうぞ、
緊張しないでくださいね(笑)』とフレンドリーだ。

珈琲・紅茶が運ばれてきた。

『お好きなものをどうぞ』と促される。

2人は揃って珈琲を取った。


『では、さっそく…インタビューさせて頂きます。
〔C-Girls〕は中高生女子向けのファッション誌です。
aijiさんファンも沢山おりまして、今日は赤裸々に語って頂きたく存じます』


『はい、
ご期待以上にぶっちゃけますよ(ニヤリ)』
拓矢が含み笑いをした。



つと、
岩瀬さんの視線が拓矢に向かう。

『あの〜〜〜。
拓矢さんは……
失礼ですが慶能学園ご出身では……』


『?
はい、そうですが』
プロフィールにも書いてあるので、
周知の事実。


『……私、
覚えてませんか……?
万年出席番号2番の………』


拓矢は指を顎に着けて岩瀬を凝視した。
すると…
『……あ。
岩瀬………イワセ……に………にいな……』
と途切れ途切れに呟く。


『覚えてましたかー?!』岩瀬が飛び跳ねるように椅子から立ち上がった。
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