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イカせ屋稼業
第9章 そのきゅー
――――――目の前に、
白い洋館が立っていた。



『……おー………………』翔汰はあんぐり口を開けている。

『おお、思ってたより広そうじゃん』
拓矢が門をひらいた。



――――百合絵社長からの〔ご褒美〕。

まさかの家だった。


社長曰く「知り合いが昔手離した家」だそうだ。
「まだまだ調子に乗っちゃダメ」という意味合いも兼ねて、
一軒家(手入れは自分たちでしなさいの意)。



翔汰は拓矢の後に続いた。


白い外壁に白い玄関扉。
米ドラマに出てくるような一軒家だ。



鍵を開けると、
中はガランと広い。

左手にキッチンがある。
テーブルもまんまあった。

右手にはリビング。

『二階あるね?
行ってみようぜ』拓矢がすたすた歩いていく。


『窓開けるぞ?
管理はしてたんだなぁ。
埃がない』
翔汰は出窓を開いた。

家の周囲には塀がグルッと囲ってある。


………場所は本当に都内なの?という自然多めの丘だった。



『翔〜〜〜。
二階も広いよー』
拓矢が二階から呼びかけた。
翔汰も階段を上がる。


二階は寝室兼リビングのようだ。
『………うわっ』
目の前にデンッと置いてあるダブルベッドを見て思わず赤面した。

『エロいよな?』
笑いながら翔汰に抱きつく拓矢。


『待てって、荷物………………ン……あっ…』
拓矢が強引に翔汰をベッドに押し倒す。
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