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イカせ屋稼業
第9章 そのきゅー
まだ住んでいないふたりの家で、

ふたりは暫くの間互いのカラダを貪り続けた。






――――『はー………』
窓の直ぐ下で開脚したまま座って息を吐いた翔汰。



目の前では拓矢が同じく『はああ………』
と息を吐きながら横たわっている。



『………………
荷物、運ばないとな(笑)』


『そーだね………
翔が美味しすぎて忘れるとこだった』
拓矢がムクッと起き上がる。



少し汗ばんだ顔に張り付いた長い前髪から、
切れ長の瞳が覗いている。
バチっと目が合う。
翔汰は『―――俺のせいかっ?』
と拓矢にデコぴんをした。



―――社長からの思いがけない〔ご褒美〕。

一軒家の家。

嬉し過ぎて頭では分かっているのに追い付かない。


前のワンルームは元々翔汰が住んでいて拓矢が越してきた(無理やりだけれど)。
けど、ここはふたりで1から住む場所だ。


(新婚フーフみたい…)

翔汰は何だかむず痒いくらい恥ずかしい。


社長に借りたトラックから荷物を下ろし、
ふたりで抱えて運び込む。
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