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イカせ屋稼業
第10章 〜番外編〜
自分の容姿が周りよりも良いことは分かってた。

ぼーっとしているし、あんまり喋らないからか友達は少ない。
仲が良いのは緋路と裕希くらいだ。



緋路は明るくて皆から好かれている。

裕希もマイペースなうえに少しぽっちゃりしているから、
誰からも敵視されない。




俺は授業を朧気に聞いていた。













「曽我くん!あ、あのっ…」
昼間、購買部でパンを買って外の芝生に向かおうと歩いていると女子から声をかけられた。


振り返ると女子が俯いて立てっている。

その背後にまた女子が2人。

「優衣【ゆい】、行けっ」「ほらぁ、早く言いなよ〜」
ひそひそ声のつもりらしいが、
拓矢の耳に届いていた。



優衣と呼ばれた女子は、
細くて背が低い。


マッシュルームみたいなボブの髪型が艶やかだ。


「あの、B組の白川優衣【しらかわゆい】です…
良かったら、お話してくれませんか?」

顔が真っ赤だ。

制服の袖から出ている二の腕が白く光っている。


上目遣いに拓矢を見る。


目がぱっちりと大きい。


「………いーよ」
拓矢は答えた。
上目遣いに不快さを感じたから、
腹いせにそう答えてやった。

優衣は目を見開いて「えっ?!いいんですか……!?」
と後ろの2人に振り返る。


拓矢は優衣とやらの手を握った。
「きゃっ…」


「話するなら、
放課後人気のないトコでね?
B組で待ってて?」

にっこりと笑って見せて、そう告げる。


そして手を離し、
キャーキャー言っている3人に背を向け外に出た。







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