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イカせ屋稼業
第12章 そのじゅーいち
______頭では分かってる。


この洋館に琴湖を匿おうとした翔汰に、
〔ふたりの空間〕を守ろうと「百合絵社長のとこならあるかも」と発言した拓矢の意図も。。




だけど……………


『ムカつく…………
何でKANAMEなんかに!』
ぶちぶち怒る翔汰に、
拓矢は『だって……………
ああしたら、翔の気持ちが理解できると思ったから』と急に真剣な口調ではっきり話す。





『俺の気持ち………………?』






『うん。
あの嫌な男に、不本意にキスされたらどれだけ嫌悪感が湧くのかなって。

まぁ俺のは自分からしたから、
翔はイヤな気持ちだろうけど。

翔の気持ちに寄り添いたかったの!
同じ感覚になれば、
ヤキモチも消えるかなと思った』







『……………………そっか。
んで、どうだったわけ?』




『………………………気持ち悪くて吐き気がした。
息止めてたけど、全身に不快感が走った……
あ、翔はこんな感覚だったんだってやっと分かった。
翔とのキスでしか、
甘さ感じないもんだね』
拓矢は翔汰を見つめる。

『すっごく理解できた。
どれだけ嫌な感覚か。

ゴメンって思う』拓矢が頭を下げる。






『ヤキモチ、
まだ妬いてたんだ?
……………なんだ………………』






拓矢は上目遣いに翔を見て、
『当たり前だ。
今でも妬いてるし、
琴湖ちゃんを此処に匿おうとしたのだって正直やだよ!』
とぶーたれる。








翔汰は噴き出した。



なんだ。


そういう事か。。





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