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イカせ屋稼業
第12章 そのじゅーいち
スーツズボンのベルトを外し、
我を忘れたように脱がせていく。


(ちょっとヒドイかな…………ま、
リアリティのためだ)

翔汰はそう思った。



『やめろ!!
何すんだよっ』
サラリーマンが身を捩る。
『写真は関係ない!』意識して〔写真〕を誇張する。



『誰だよ、あれ?!』
もう拓矢は素だ……………………………


夢中でサラリーマンの下半身をまさぐり裸にして、肉棒をわしづかみ咥える。


『いだっ!!
ちょちょちょちょ待って痛い!』
咥えられた肉棒に歯が立って痛い。



イージーがカメラを止めた。
『ちょっと~、
何色気ないセリフ吐いてんのよぉ?
そんなの要らないわよ』



拓矢は荒れた犬よろしく噛み付いて離れない。

『拓矢!!
悪かったって!
あれ、彩夏なんだ』

慌てて言うと拓矢がピタリと止まった。



口を離して顔を上げ、
ポカンとしている。

『……………彩夏姫?』




『うん、彩夏。
〔ギャルコスプレ〕した時撮ったやつ。髪はウイッグ。アイプチ使ってギャルメイクしたらああなるの!
つーか、そこは通じると思ってたのに………』


『…………通じないって……………
前に付き合ってた子か誰かかと思って………』
拓矢はバツが悪そうに俯く。


『んな写真残すワケないじゃん!!
あーあ、先に言っとけばよかったなぁ』


イージーがカメラを回している。

『え、これ撮るの?』
気付いた翔汰が言うと「特典映像♪」とイージーがウィンクした。


『…………ごめん、
しょーた……………
てっきりそうだと思って怒っちゃった………』
シュンとしている。



『怒らせようと思ってしたの!
嫉妬したら自覚するじゃん、
〔自分はこの人をそんなに好きになっちゃったんだ〕って。
つか、俺が悪いね………』



『嫉妬しすぎた…………
めちゃ噛んじゃった』
拓矢がフッと笑う。



翔汰が拓矢を見て、
『んじゃそのまま嫉妬してよ?
他に誰にも渡さないってくらいに』
と告げる。


『____わかった』
拓矢が翔汰を押し倒す。





イージーがカメラを切り替える。
「そのままGo」と指で丸を作った。
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