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イカせ屋稼業
第13章 ~番外編~free Sky~
ダッシュで帰る。

ドドド………と勢いに任せて自宅に駆け込んだ。
田舎道ですれ違うお年寄りが思わず振り返った。
セーラー服の襟がはためいて、膝丈のプリーツスカートが捲れ上がって太ももが剥き出し。


『ばあちゃん!!ママは?!』

背中までのストレートの髪が汗でベタついた……。

自慢の髪なのに!


自宅の1階奥。ママの部屋に入ると、
すっからかんだった。
ソファーと箪笥が沈黙してるだけ。



ばあちゃんが腕を組んで座っている。

『居ないのよ、本当にっ。通帳がないわ』
ばあちゃんは怒ると怖い。『それに置き手紙あり』白い紙がペロンと音を立てた。
「深さないでください」とある。
ママの丸文字だ。


『…………うそぉ~』
あたしはへなへなと床に座り込んだ。
『うえ~、おかしいと思ってたんだよう、
ママ夕飯も作んないんだもん~』


『それは前からだよ』
ばあちゃんがピシャリ。

『えー、あたしどうなるのぉ?兄ちゃんに連絡した?』


『したわよ!
直ぐ帰って来るってさ。夜には着くよ。
あのバカ娘…………!!今日はお寿司とるよっ』


『何でお寿司?』


『翔汰が帰ってくるでしょ。
それに………お寿司でも取らなきゃ堪らないよ』


『ですな…………』


あ~あ…………………

岬【ミサキ】くんと遊ぶ予定が。せっかくキスしたのに。
みんなで海に行くのに!

どーなるの、あたしの夏休み!!



『何これぇ、
〔深〕じゃん!ママ漢字間違ってるよ~』

あたしは紙切れを握りしめ、
喚いた。







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