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イカせ屋稼業
第13章 ~番外編~free Sky~
あたしは全速力で走る。

こう見えて中学時代は陸上部の短距離エース。
(だから勉強しなかったのだ)

『くっそ、速い!』後ろから男子の声がした。

それに。
あたしは用務員のオジサンを発見した。

『オジサン、助けてー!
男子に襲われたぁ~!!』

このオジサン、
すんごいフレンドリーで面白い。

前からよく話してたんだ。


『なっ、何だと!?
お前たち何してんだ』

竹箒の先を男子に向けて怒鳴るオジサン。
『何年何くみだ?
夏休み中に何してんだ』



オジサンは柔道2段の元銀行員。ガタイがよくて、迫力がある。定年退職後、用務員をしてる。

こないだ聞いた。たまに将棋を教えてくれる。

あたしはオジサンを盾にして、
庭園に敷き詰めてある小石を男子に投げる。
『あっちいけー』


サイカちゃん、それはそれで危険だから止めようか、とオジサンが諭す。


男子は「マズイ。
おい、逃げようよ」と股間を押さえたもう一人の肩を掴む。




『あれ?
彩夏?』

横を見ると、
フェンス越しに有里が目を丸くしていた。
フッとチカラが抜けていく。

『ゆうり…………うわああ~ん』
泣き出したあたしに、
有理が「どうしたの!落ち着け」と駆け寄ってきた………………………………………………
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