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イカせ屋稼業
第13章 ~番外編~free Sky~
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『はああ~~~』

あたしは補習後にぼへ~~~っと空を見上げた。

窓際の席に座って。
『空高いっすなー………』



『彩夏、だいじょーぶか………ホントに』

有里があたしの頬をぐにっとつねる。

『ひたぃ(痛い)。
うん、だいじょーぶ。
殴ったらスッキリした~』


____先日の用務員お助け事件(命名あたし)から4日後。


あたしは昨日、
連絡しても捕まらない岬くんの自宅まで押しかけた。
そしてビンタしてきた。


LINEもブロックされてるし、
いっしょにしてたsnsのカップル画像も削除されててカチンときた。


殴ったらめちゃめちゃスッキリした。



以来LINEで〔1年の金井彩夏の腕力はレスリング世界王者吉田沙保里に匹敵する〕とバラまかれたみたい。
けど、知らなーい。
あたしは悪くない!

『_____あ~~~。
でも兄ちゃんの七光りはちょいショックだったかな~』

あたしはヘラっと笑う。



___しなくて、よかった。岬くんの茶色ががった髪がちらついた。
首筋や、細い背中や、声や、大きな目。
好きだったのになぁ。
涙が滲んだけど、有里にバレないように堪える。


___特別に取っておこう。

古くさくて笑われるかも知れないけど、
ちゃんとあたしを好きになってくれる男子としよう。


『よっしゃ!カラオケ行くか!』
有里が突然立ち上がった。
『皆呼んで歌お!
あたしも腹立ったし!!』




『え、あたし500円しかないよ?』

『おごったる♪
つーか夏だし、思いっきり歌おうよ』有里はサバけてて好きだ。裏がない。



『ホント?
ありがとー!!有里、ココロの友よー』有理に抱きつく。


あたしはリュックを持ち有理と教室を出た。


『ジャイアン、都合よすぎ(笑)』と笑う有理と長い廊下を走りながら、
『海もいきたーい!
山も川もいきたーい!』と声をあげた。
『行こう行こう!
ぜんぶしちゃおう♪』有里も大きな声をあげた。


夏でよかった。


外に出ると、
太陽が真上からあたしたちを照らす。


その光のなかに飛び出した。







兄ちゃん、妹もけっこーガンバってマス。
by彩夏
















番外編~free Sky~〔終〕



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