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イカせ屋稼業
第14章 そのじゅうに
『さあー、いい画(え)にするわよォ~♪』

バスルームから出たふたりは、
イージーに冷やかされたあとメイクを簡単に直した。




包帯を巻かれる拓矢。
つい、メイク担当の女性を見てしまう。
(ホントだ)

顔が真っ赤っか。


『失礼しますね』とメイクさんは拓矢の脇の下に包帯を通す。


ワイシャツにスーツズボンで待っている翔汰を見遣ると、
外国人のように肩を竦め舌を出した。
「な?だから言ったろ?」ってトコロか。



甲斐とメイクさんが退室するとカメラが廻り始めた。



設定的に〔好き同士イチャイチャシーン〕。
実はバスルームにて絡んでいただけじゃなく、
ちゃんと打ち合わせもしたのだ。



天井から吊り下がっている金具に、
翔汰は縛った両手首を引っかける。

吊らされた格好になる。
その翔汰を拓矢が弄り倒していくという形にした。


プランと体が吊り下がったサラリーマン(翔汰)。

冒頭シーンから2人は既に激しい欲情をぶつけ合う。


包帯男(拓矢)は、つかつかと近寄るとサラリーマンのワイシャツを引きちぎるように破った。
小さなボタンが飛び散る。

はだけたワイシャツから、
白く引き締まった胸板が見える。


ピンク色の突起に舌を当てる。
『ん……………!』サラリーマンが体を揺らした。
唾液をたっぷり塗るように、
舌をねじ当てる。

包帯男の息は熱い。



ちょうど、
拓矢が踵を浮かせると届く位置に吊られた翔汰。

体が浮いているというのは、
攻める側もしづらくその分必死になる。

___舌を這わせながら、
スーツズボンのベルトをカチャカチャと外す。


言葉少なに、
ただふたりは燃えるだけ。




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