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イカせ屋稼業
第14章 そのじゅうに
好きな気持ちに自覚がなく、
また自覚がないゆえに互いに確かめ合うこともない状況でのsexと、

互いに気持ちがあると確かめ合った後のsexは全く違う。


自然に湿度が高くなる。




意思疎通を一度してしまえば、
言葉は少なくなった。


翔汰と拓矢が、
まだ気持ちが合致せずまるで兄弟喧嘩のように絡み合っていた時がそうだ。


ぎゃーぎゃー喚き合い、
「こうしてやる!」とプロレス技のように仕返していた。





____包帯男は、
飲み干すと『……………甘い………』とセリフを吐いた。


もちろん甘い訳はないのだけど、
何故か好きな相手の愛液というのは苦く感じない。


サラリーマンの胸に汗の粒が光る。

包帯男はサラリーマンの背後に回り、
カラダをがばっと抱えて金具から外した。


手首を拘束されたままベッドに運ばれるサラリーマン。

投げ出される。
『____あっ!』

ボスン、とシーツに沈むカラダ。うつ伏せになり、
左脚だけ膝を立てる。



包帯男はその上にのしかかる。



捻れた姿勢のサラリーマンの腰を掴むと、
背後から肉棒をアナルに沈ませていく。


『くぅっ!!ああっ………入ってくるっ…』


ずぶずぶ入っていく肉棒。


ワイシャツの袖口から出た肘の筋。
手首から先にある、
節の太い長い指。
疎らに首にかかった黒い襟足の髪の毛。

包帯男はそれらを見つめながら、

ゆっくりと腰をふる。


『好きだ…………』
『んんっ…………』


言葉少なに、
しかしねっとり絡まって。




ベッドの上で重なり合う二つのカラダ。

脚の筋肉。

隆起したふくらはぎ。

イージーは男のゴツゴツしたパーツを、
意識的にズームして撮影した。

ズームしては引いて、
絡まったふたりを撮る。


金髪の包帯男の美しい肢体が、
ワイシャツ一枚で手首のみ縛られた男に重なる映像。




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