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イカせ屋稼業
第14章 そのじゅうに
(……………ねぇな…………)

勉強机の引き出しを次々開ける。



『…………くっそ、
どこだったか…………』

写真なんざ元々ない。


ただ、一枚だけあったのが5歳くらいの俺が笑っている写真だ。


バカみたいに、
何も知らずに笑っている。


____ネットにあった写真は合成だ。


『…………ちっくしょ、
ねぇな』


机と本棚すべて漁ったが、
写真はない。



『オヤジさーん!』
KANAMEは1階に降りた。


『どうしたあ?
ほら、了の好物だぞ-。
煮魚定食』

オヤジさんは、定食を盆に載せ笑っている。



『…………後で食う。
写真しらねぇか?俺が小さい頃のやつ』


階段途中から言うと、
『写真?
ああ、黄色いTシャツのかい?
私の部屋にあるよ』
とあっさり答えが返ってきた。


『早く言えよ!!!』
ドスの利いた声を出す。


オヤジさんはビックリし、
定食を床に落とした。ガシャンと皿が割れる音。



KANAMEは構わずに階段を駆け下りる。

『どこだよ、写真っ!!!』
オヤジさんに食ってかかる。



オヤジさんはオドオドしながら、
奥の小さな和室に入っていった。



魚の汁が床に蒔けていた。


KANAMEは冷ややかにそれを見る。



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