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イカせ屋稼業
第15章 そのじゅーさん~未来へ~
『…………おー、
小さく載ってるよ?たく』

翔汰は事務所にある新聞紙を開いた。



『ん?
ああ、もしや師橋?はい、Yoo!ちゃんの番』
拓矢は赤い糸を両指に巻きつけてYoo!ちゃんに差し出した。


『えええ、こここれは何てなな難解な交錯!!』

_____あやとり中である。


『うん。
S会分裂抗争の果て___構成員H_張だろうな_が持ち逃げした10億円分の大麻を倉庫で発見。
10億ってこれのことだったんだろうな?
____**署は5日、Hと懇親のある芸能事務所社長・師橋条(心不全で死去)の身辺調査を開始…………』



翔汰は新聞紙をたたんでラックに戻した。


『KANAMEってさ。
運の悪いヤツだよなー。
被害者同然つうか』


『うー。ん?
KANAMEはそう思ってないんじゃないの?
あーっ、Yoo!ちゃんそれズルイ!!
何それー、犬の形作れるなんて!』



『ててて手先の器用さだけがととと取り柄でありますからっ』
Yoo!ちゃんも言うようになりました。



『何やってんだ?
お前ら………………あやとりって何だっけ』



『〔昭和後半に流行した子供たちの遊び〕だってさ。
こーやって指で毛糸を編んで形作ってくの。
チューチューブで見つけた。
やーめた、おしまい』


拓矢が毛糸を投げ出すと、
Yoo!ちゃんはそれを掴み指編みでサカサカ編み始めた。





『社長、帰ってこないなぁ…………?
おかしいなぁ、今日は朝に健康診断して昼イチには戻るっつってたのに。
甲斐さんお供にしたまんまだし』
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