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イカせ屋稼業
第15章 そのじゅーさん~未来へ~
互いに浴衣。



ホッと寛ぐ。



『部屋取れてラッキーだったな。

もうすぐルームサービスだな…………』


静な空間。



窓の外のベランダ部分には、
鹿威しと細い川があった。


作りものだけれど小石が並び、
雰囲気がある。






カコーン…………♪



鹿威しの音。





『あ。

そうだ…………』

翔汰は小さなバッグから紙袋を取り出した。



手のひらサイズのそれを拓矢に手渡す。


『ん?何?
プレゼント……………じゃないよね、バースデーでもないし』


『開けてみ』


拓矢は包装紙を解く。


『…………あ』




紙の中から、
小さなワンコのぬいぐるみが出てきた。

『くれんの?』


『うん。

ワンコストラップのお返ししてなかったし』


拓矢はスヌーピーのような姿の犬のぬいぐるみをじっと見る。


目がつぶらで、体は茶色く垂れ耳が濃いブラウン。

口がなくてぽってりした体。


裏返した。
しっぽが丸い。


『…………プッ…………何犬なんだよ(笑)
あ…………』



『気づいた?』
翔汰は嬉しげだ。



ワンコのお尻部分に、
「S&T」と縫ってある。


目立たないように、
だけどしっかりと。



翔汰&拓矢の頭文字。



拓矢は震える手指を隠せない。



______高価なアクセサリーやブランド小物より、
嬉しかった。




ワンコっていうのが。

ふたりの頭文字入りで……………


『サンキュー。

大事にする………』
嬉し過ぎて、
涙を堪えそう返すのが精一杯だ。










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