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イカせ屋稼業
第15章 そのじゅーさん~未来へ~
『拓矢くんはこっちだなぁ?』

鴫ハルコがホテルを指差す。



カイロのホテルは独特で、
まるで瓦礫かというような見た目だ。




内装はしっかりしている。

しかし水が出なかったり電気が点かないなどざらにある。





亀裂が入っている壁。



『脱いでいい?』
拓矢は訊いた。




『そうね。
穿いてたらそぐわないわね』


拓矢は黒いビキニパンツを脱いだ。



白い、
彫刻のような肢体。


髪はキラキラと金に光る。


荒んだようなホテルにミスマッチな拓矢。



ソファーに寝た。


鴫はシャッターを切る。




ミスマッチな拓矢が、
いやにインパクトがある。





埃すらカメラに入る。




きらきら光る埃の粒越しに、
拓矢は優雅に寝そべる。




____________場所を変えながら、

こうやって撮っていった。

















____夜。


『はああ~~~~…………』

翔汰は部屋で項垂れる。

『疲れた?』

『うん。
気ぃ張ってたしね……………………』

ベッドに倒れこんだ翔汰に、
拓矢は寄り添うようにして寝る。



ふたりとも緊張している。



異国の地は雰囲気そのものが違う。




『何だか、
日本の真裏に来てる感覚があんまりないなぁ………
全く違う雰囲気に圧倒されてるのは確かなんだけど』




『翔汰もかぁ……………。
俺も。

いつものあの家にいるみたいだ』

拓矢は翔汰の髪を弄る。




『あ、おんなじ?
そっか。ちょっとホッとしたわ』


『うん。
何でだろうね?』





(そこはおふたりさん、
〔ふたりだから〕でしょ………………)



部屋のドアの隙間から鴫ハルコが覗いていた。




明日以降の予定を話に来たのだが。



ふたりの暖かな空気にノックを止めたのだった。
(ま、明日朝言おうかな。

あのまま……………
ふたりがlove感を出してくれてたら。

最高のシーンが生まれるわ)



自室に戻る。




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