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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第5章 第二話・其の弐

「あの子は本当によく働いてくれてるさ。お前の分まで頑張ってくれてるよ」
ややあって、喜六郎の取りなす声が聞こえる。
「私の分まで? あの愚図でのろまな娘(こ)が私の代わりを十分やれているとは到底思えないけど」
小巻が言い放つ。あまりといえばあまりの物言いだ。お彩は怒りのあまり、我を忘れた。
「おい、それは言い過ぎじゃねえか? そこまで言うなら、この際はっきりと言うが、お前がいた頃より、お彩ちゃんが来てからの方が店の評判も良いんだぜ。何せ、あの子は気立ての良い優しい娘だ。小巻、男ってえものはな、ただきれいなだけの女よりは、心根の優しい女を好むものなんだよ。それに、あの子は心映えだけでなく、あのとおり器量も良いからな。お彩ちゃん目当てに通ってくる客もこの頃は多いんだ」
ややあって、喜六郎の取りなす声が聞こえる。
「私の分まで? あの愚図でのろまな娘(こ)が私の代わりを十分やれているとは到底思えないけど」
小巻が言い放つ。あまりといえばあまりの物言いだ。お彩は怒りのあまり、我を忘れた。
「おい、それは言い過ぎじゃねえか? そこまで言うなら、この際はっきりと言うが、お前がいた頃より、お彩ちゃんが来てからの方が店の評判も良いんだぜ。何せ、あの子は気立ての良い優しい娘だ。小巻、男ってえものはな、ただきれいなだけの女よりは、心根の優しい女を好むものなんだよ。それに、あの子は心映えだけでなく、あのとおり器量も良いからな。お彩ちゃん目当てに通ってくる客もこの頃は多いんだ」

