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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第30章 第十二話 【花見月の別れ】 其の壱

京屋を出たお彩はその時、既に市兵衛の子を身ごもっていた。そして、他に頼るべき人とてないお彩が身を寄せたのが伊勢次の許であった。
伊勢次は市兵衛からお彩を守るためにも江戸を離れ、お彩が子どもの頃、母と共に訪れたことがあるという江戸近在の小さな村に移り住むことにした。お彩の腹の子を我が子として受け容れ、お彩と所帯を持つつもりでいたのだ。
お彩と伊勢次はついに結ばれ、伊勢次は惚れた女と漸く深間となった束の間の歓びに浸った。
伊勢次は市兵衛からお彩を守るためにも江戸を離れ、お彩が子どもの頃、母と共に訪れたことがあるという江戸近在の小さな村に移り住むことにした。お彩の腹の子を我が子として受け容れ、お彩と所帯を持つつもりでいたのだ。
お彩と伊勢次はついに結ばれ、伊勢次は惚れた女と漸く深間となった束の間の歓びに浸った。

