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隣の日常
第4章 隣の日常
アイツの家に帰るまでの道すがら、大きな緑地公園の中を通るんだ。
あたりはもう、すっかり日が暮れてた。
ウォーキングやジョギングをしてるおっさんおばさん何人かとすれ違ったけど、公園奥に進むにつれ、人気はなくなった。
アイツは泣きながら何度も俺に謝って、何度も俺の名前を呼んで、必死で俺の手を後ろから引っ張って、俺を振り向かそう振り向かそうと努力してた。
アイツはなーんも悪くなかったのに。
そんなアイツを俺は無視して、引っ張るようにして歩き続けてた。
どうして、最初に俺らを目撃してたはずの、おっしゃれなメシ屋の連中や、公園にいたおっさんおばさんたちは何も覚えてなかったんだろう。
緑地公園の一番奥、ドブ川が流れてるあたりまでくると、もうそこらじゅう真っ暗だった。
だからかな。
珍しく、俺の誕生日を祝うためにお洒落してスカートだけじゃなくヒールを穿いてたアイツが、暗がりで俺の手を引っ張ってたせいで足元が不安定になってたんだろうな、俺のうしろでコケたんだ。
「きゃ!」って言う短い悲鳴が聞こえて、俺はやっとアイツに振り返った。
整備された砂利道の真ん中で、彼女が地面にへばりつくようにして蹲ってた。
スカートが捲れて、尻が出てた。
暗がりに彼女の尻がやけに丸く見えた。
なんでだろうなぁ。
自分でもよく分からないんだけど、俺さぁ、もう、自分を止められなかったんだ。
走って駆け寄って俺に、アイツは俺の名前を呼んで、ぐちゃぐちゃの顔で「ごめん」って言ったんだ。
俺がアイツに駆け寄ったのは、アイツを許すためじゃなくて、顎の下からツラを蹴り上げたかったためなのにさ。
あたりはもう、すっかり日が暮れてた。
ウォーキングやジョギングをしてるおっさんおばさん何人かとすれ違ったけど、公園奥に進むにつれ、人気はなくなった。
アイツは泣きながら何度も俺に謝って、何度も俺の名前を呼んで、必死で俺の手を後ろから引っ張って、俺を振り向かそう振り向かそうと努力してた。
アイツはなーんも悪くなかったのに。
そんなアイツを俺は無視して、引っ張るようにして歩き続けてた。
どうして、最初に俺らを目撃してたはずの、おっしゃれなメシ屋の連中や、公園にいたおっさんおばさんたちは何も覚えてなかったんだろう。
緑地公園の一番奥、ドブ川が流れてるあたりまでくると、もうそこらじゅう真っ暗だった。
だからかな。
珍しく、俺の誕生日を祝うためにお洒落してスカートだけじゃなくヒールを穿いてたアイツが、暗がりで俺の手を引っ張ってたせいで足元が不安定になってたんだろうな、俺のうしろでコケたんだ。
「きゃ!」って言う短い悲鳴が聞こえて、俺はやっとアイツに振り返った。
整備された砂利道の真ん中で、彼女が地面にへばりつくようにして蹲ってた。
スカートが捲れて、尻が出てた。
暗がりに彼女の尻がやけに丸く見えた。
なんでだろうなぁ。
自分でもよく分からないんだけど、俺さぁ、もう、自分を止められなかったんだ。
走って駆け寄って俺に、アイツは俺の名前を呼んで、ぐちゃぐちゃの顔で「ごめん」って言ったんだ。
俺がアイツに駆け寄ったのは、アイツを許すためじゃなくて、顎の下からツラを蹴り上げたかったためなのにさ。