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闇夜の仕置人
第1章 浅田 涼子

涼子は今、自室のベッドの上で膝を抱えて息を潜めている。
学校は勿論、外に出ることさえ出来ずに引き籠ってしまった。

レイプされた後、涼子は通りすがりの者に発見された。
道に落ちていた参考書と鞄を見つけ、不審に思った会社員がビルの中を覗いた時…
胸と下半身を露に横たわる涼子を目にしたのだ。
何があったのかは一目瞭然だった。
声を掛けても無反応な涼子に、会社員は死んでいるのかも、と恐怖を覚えたらしい。
直ぐに警察が呼ばれ、静かな住宅街は一時騒然となった。
自宅近くだったこともあって、涼子の事件は瞬く間に近所の噂になってしまった。
近いうちに涼子の一家は引っ越すことになるだろう。
心も身体も傷付いた涼子は、警察の問いかけにも答えることが出来ず、犯人は未だ特定すらされていない。

悪夢に魘され、食事もまともに摂れず、日に日に追い詰められている涼子の頭の中では、自ら命を絶つ考えだけが膨らんでいた。

いつの間にか夜の帳も降り、部屋が暗闇に包まれても
涼子は微動だにしなかった。
今、涼子の中では、どの方法で生涯を終わらせるか…
それだけが渦巻いていたのだ。


その時だった。


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