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闇夜の仕置人
第1章 浅田 涼子

『死ぬなんて馬鹿らしいわ』

ふわりとカーテンが揺れて、透き通るような女の声が涼子に届いた。
驚いてカーテンを見る。
窓はずっと閉めている。
カーテンが動くはずなどなかった。

とうとう気が触れてしまったか、と涼子は自嘲的に笑った。
だが驚きは始まったばかりだった。

音もなくカーテンか開くと、ベランダには1人の女が立っていた。
閉まっている窓をすり抜け、音もなく女は涼子に近付いた。

有り得ない現象に、涼子は目を見開いたまま、固まってしまう。

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