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その恋を残して
第6章 怜未は、ここにいるよ

    ※    ※


 あれは、いつだったかな――?


 俺は内田たちに囲まれ殴られながら、昔のことを思い出していた――。

 そう――あれは、小学五年生の頃。

 俺はクラスの友達から、仲間外れにさせていた時期があった。

 きっかけは何だったかな? 覚えていない。きっと、ほんの些細な行き違いとか、その程度のことだった。

 今まで遊んでいた友達にハブられる――それは、かなり辛いことだった。

 耐えられなくなった俺は、そいつらに訊いた。俺が何をしたんだ――と。

 皆、答えに困って顔を見合わせていた。きっと、そいつらもわかっていた筈なんだ。原因など、あってないようなものだって……。

 誰か一人をハブるゲーム――只、それは予想以上に刺激的で面白かっただけなのだろう。彼等は無知が故、淡々と残酷なゲームを楽しんだ。奴らにも悪気は無かったのかもしれない。

 そして、そいつらの中の一人が言う――「土下座すれば、許してやるよ」って。

 そいつも、やり過ぎたとは感じていたのかもしれない。だが、自分たちが悪いとも思いたくはない。だから、ゲームを終わらせる通過儀礼としての『土下座』だったのだろう。

 今なら、そんな風に考えられる。だが、その時の俺は――


「死んでもするか。バーカ!」

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